「黒潮物語」

 黒潮は全世界共通「 KUROSHIO 」で通用する世界最大の海流である。島国日本は黒潮の恵みのなかで豊かな歴史を刻んできた。気候も風土も文化さえ、黒潮によって育まれたといっても過言ではない。

 黒潮はフィリピン沖で誕生し、沖縄、九州と北上、本流は紀伊、東海沖を通過し、三陸、北海道そしてカナダ、アメリカ西海岸を経てオセアニアの海を潤し、フィリピンへと旅を続ける。一周を4年半の歳月をかけると言う。まさに巨大な大河である。その豊かさは地球全体の郷里とも言える。

 映画「黒潮物語」は1本のビールびんに託した手紙から始まる。


8月8日「湘南丸」での放流にメッセージを寄せる子供達

 鹿児島県種子島の子供が黒潮に乗せ流したメッセージは、北海道苫小牧の子供達の手に届く。種子島の子供は雪を見たことがない。北海道の子供はエメラルドグリーンの海を見たいと手紙を書く。子供達の素晴らしい交流が黒潮によって誕生する。

 「人生は感動との出逢いの旅」こうした言葉がある。今、毎日のように子供をとりまく事件、事故の報道が溢れている。凶暴で悲惨な内容に心が痛い。

 最近特に「いじめ」を核にした心凍る事件が多い。大人達や、直接児童、生徒と接する先生達の言動を精査するとその無責任さと幼児性に驚かされる。

 気付かない。気付いていても子供達の目をしっかりと見ることができない。そんな風潮を何としても止めなければならない。


8月11日 護衛艦「しらゆき」でのメッセージボトル放流

8月20日護衛艦「はつしま」公開で子供達と

 教育県神奈川の名声は風化しつつある。

 関係者の努力は並々ならぬものがあるし、公私問わず素晴らしい教育者も多い。しかし、神奈川は常に時代の先駆的な役割を果たしていかなければならない。時代の羅針盤であるからである。


  高校の中退率全国一。中学生の不登校も残念ながら日本一。この神奈川の傾向はやがて全国に拡大される。

 この神奈川の子供達が「出合い」や「交流」新しい未知のコミュニケーションから感動を体験できたら・・・・。それは全国に広がり子供達の瞳はキラキラ輝くことだろう。


8月21日「かいれい」で放流されたメッセージボトル

 私は決意を固め「黒潮に託す夢のメッセージボトル・神奈川」の実行委員会を立ち上げた。

 この一年でしっかりと種を播き、花が咲くのを見届けたい。未来を担う子供達、そしてかけがえのない地球のために・・・・。


2006月4月12日 讀賣新聞掲載記事(全文)

 手紙を入れたボトルを海に流し、拾ってくれた人たちとのふれあいや、世界につながる海の豊かさを子供たちに学んでもらおうと、県教育委員会 や海上保安庁、民間の港運業界やマリンレジャー団体などが11日、「黒潮に託す夢のメッセージボ トル・神奈川」実行委員会を設立した。

 「メッセージボトル」を 海に流す活動は、実話を元 にした映画「黒潮物語」を 製作した藤沢市の市民団体 「『黒潮物語』元気な子の会」(小林一平会長)が各 地で取り組んでいる。先月には、沖縄から流した同市立八松小学校の児童らの手紙を見つけた台湾の兄妹が同小を訪れ、交流を深めた。


メッセージを入れるボトルを前に
活動の説明をする藤木会長(右)ら

 こうした活動を知った県関係者が、「豊かな海の魅力を子供たちに知ってもらい、夢や希望を世界に発信することは意義深い」として、県内外から広くメッセ ージを集めて海に流すへ本 県の一大イベントにしよう と各団体に呼び掛けて実行委の設立にこぎつけた。 総会では、神奈川港運協会会長の藤木幸夫氏を会長に選出し、松沢知事と牧島功県会議長が副会長に就任した。

 

 実行委員会は、5〜7月に、県内の小学校の児童や神奈川を訪れた観光客らからメッセージを募箪し、8月に県立三崎水産高校の実習船「湘南丸」や、横浜港に寄港した客船や貨物船にメッセージを入れたボトルを放流してもらう予定。このほか、7月には記念シンポジウムを横浜市中区の横浜市開港記念会館で開催する構想もある。

 総会後、記者会見した藤木会長は「今の日本に欠けているのは人と人のつながり。海の豊かさとともに子供たちに多くのことを学んでほしい」と語り、松沢知事も「神奈川の海が世界につながっているということを学ぶ夢のある素晴らしいプロジェクトにしたい」と強調した。

 「黒潮に託す夢のメッセージボトル・神奈川」実行委員会では、4月11日の設立総会後、「夢のメッセージ」の募集のほか、シンポジウムの開催やメッセージボトルの放流活動を実施してまいりました。

 今後は、県民の皆様から寄せられたメッセージを黒潮に放流していく予定ですが、このたびこ れまでの活動を中間報告としてまとめましたので、ご報告申し上げます。

 「夢のメッセージ」につきましては、県内の公私立小・中学校や全郵便局を通じて広く募集を行うとともに、実行委員会構成団体による様々なイベントや催し物を通じて募集を行ってまいりました。

 

8/11 護衛艦「しらゆき」での放流イベント

 寄せられたメッセージには、皆様方の様々な夢や希望などとともに、返信への期待が書かれており、中には英文で書かれたメッセージもあります。こうして寄せられたメッセージの総数は 4,000枚を超えます。

5/16 〜 観音崎自然博物館による「海の体験学習」での募集
5/20 海洋研究開発機構の公開イベントでの募集
6/01 県内の全公私立小・中学校を通じての募集
5/27 ・ 28 海上保安庁の「観閲式」での募集
6/02 海上保安庁の「横浜開港祭体験航海」での募集
6/10 大磯町「タカシマ・クルージング」での募集
6/15 〜 県内全郵便局での募集
6/28 神奈川県海水浴場組合連合会による
「鎌倉由比ヶ浜海開き式」での募集
7/01 「黒潮物語シンポジウム」での募集
7/17 藤沢市青少年協会 ( 協力 : 藤沢海洋少年団、藤沢市科学少年団 )
による「海とあそぼうカッターボート体験と海辺の生物観察」での募集
7/17 〜 日本ホテル協会神静山梨支部による加盟ホテルでの募集
7/27 「黒潮物語」元気な子の会による
「夢のメッセージボトルイン湘南」での募集
7/30 「湘南・茅ヶ崎 ほのぼのビーチフェスティバル 2006 」での募集
8/08 三崎水産高校「湘南丸」による放流イベントでの募集
( 台風のため出港は中止 )
8/11 海上自衛隊護衛艦「しらゆき」による放流イベントでの募集
8/12 「アウトリガーカヌージャパンクラシック 2006 」での募集
8/20 「海洋研究開発機構海洋調査船『なつしま』一般公開」等での募集
8/23 「神奈川県水難救済会『西部支部水難救済訓練』」での募集
8/26 海上自衛隊横須賀地方総監部Γヨコスカ・サマーフェスタ」での募集

 「黒潮物語」シンポジウムは、実行委員会活動の趣旨の周知や活動の普及を図るため 7 月 1 日 ( 土 ) 、横浜市開港記念会館において開催されました。

 県内の多くの親子連れのご参加をいただき、荒木汰久治氏の沖縄に古くから伝わる木造船による航海体験の話や、テレビ等でおなじみのさかなくんによるトーク & クイズ等に会場は盛り上がり、シンポジウムは大盛況に終わりました。

日時
平成18年7月1日(土)  13時 30分〜17時
会場
横浜市開港記念会館講堂
参加
約 250 名
内容
第一部:講演
  荒木汰久治氏
「星と波と風と〜 『海人丸( うみんちゅまる )』航海記」
   

 沖縄県に古くから伝わる木造船「海人丸」による航海体験の模様について映像を交えての話がありました。なかなか体験することの貴重な話に会場の子どもたちから質問も寄せられました。

  さかなクン 「トーク & クイズ」
   

 愉快なさかなクンの話に会場は爆笑の場面も見受けられました。クイズ正解者には、さかなクン直筆のサイン入りイラストがプレゼントされ、もらった子どもたちは大喜びでした。

     
第二部:映画上映 「黒潮物語 〜海からの贈りもの〜」
   

「夢のメッセージボトル」放流のきっかけとなった映画の上映とともに、映画制作のプロデューサーを務めた小林一平氏 ( 「黒潮物語」元気な子の会代表 )と副会長の牧島功氏から「夢のメッセージ」募集の呼びかけが行われました。

     
第三部:夢のメッセージ募集
   

シンポジウムに参加した子どもたちから 37 枚のΓ夢のメッセージ」が寄せられました。

 実行委員会の構成団体の船舶や県内市町村による体験乗船イベント ( 協力イベント ) を通じて、次表に掲げる「夢のメッセージボトル」の放流が行われました。

 ボトルの放流については、今後、10月7日に県立三崎水産高校の実習船「湘南丸」が遠洋航海に出港し、航海途上で放流を行うほか、実行委員会構成団体の船舶により放流を行つてまいります。

 また、神奈川港運協会に所属する船舶にも放流協力の呼びかけを行ってまいります。


8月21日 「かいれい」からのボトル放流
「夢のメッセージボトル」放流実績

団体名
日時
放流場所
メッセ
ージ数
ボトル数
海上自衛隊「しらゆき」での放流
8月11日
房総半島沖
(大島沖)
271枚
6本
海上保安庁「うみかぜ」での放流
(「黒潮物語」元気な子の会)
8月19日
葉山沖
300枚
7本
大和市「少年洋上体験」
(帆船「あこがれ」)
8月20日
三宅島沖
34枚
1本
海洋研究開発機構「かいれい」
(聖佳幼稚園分)
8月21日
室戸岬沖
30枚
1本
小田原市「オーシャンクルーズ」
8月24日
伊豆七島沖
600枚
8本

南極観測船「しらせ」での放流
 ※県立三崎水産高校生徒
 
による英文中心のメッセージ

11月14日
赤道流・ 南氷流など
南極までの航海途中
500枚
10本
 
これまでの返信状況

小田原市「オーシャンクルーズ」で放流したボトルに対して次のとおり返信がありました。

大阪府八尾市の川浦氏 ( 志摩市の千鳥ヶ浜で拾得 ) から返信 ( 小田原市ヘ転送 )

愛知県田原市立和地小学校校長から返信 ( 小田原市ヘ転送 )

三重県志摩市立安乗小学校 ( 志摩市阿児町安乗Γ志摩の国漁協」経由 )
が交流準備中

 「黒潮に託す夢のメッセージボトル・神奈川」実行委員会イベントのフィナーレとして、県立三崎水産高校の生徒の協力を得て、南極観測船「しらせ」の出国式行事 ( 防衛庁主催 ) に合わせて、次のとおり「夢のメッセージボトル」の放流委託イベントが行われました。

  「しらせ」は南極に向かう途中、黒潮洋上でメッセージボトルを放流します。

日時
平成18年11月14日(火)  13時 30分〜17時
場所
晴海ふ頭停泊中の南極観測船「しらせ」の甲板
参加
実行委員会委員、黒潮物語議員連盟委員
神奈川県立三崎水産高校生徒(漁業生産科 1学年38名)
内容
 

藤木会長挨拶

  生徒代表挨拶
  生徒から艦長への花輪の贈呈
  メッセージボトルの手交 ( ボトル10本を生徒から乗務員へ手渡し )
  艦長挨拶
  出国式に先立ち艦内見学を実施
 

2006月11月15日 産経新聞掲載記事(全文)

 14日に第48次南極地域観測隊の支援のため東京・晴海埠頭(ふとう)を出港した海上自衛隊の破氷艦「しらせ」の甲板で、県内の子供たちがそれぞれの夢をつづった手紙を入れた「メッセージボトル」が、しらせの乗組員に託された。容器は航海の途中に放流する。海を介した交流を目指し半年間にわたって続けてきた放流イベントはこの日、フィナーレを迎えた。

 放流委託式では、実行委会長の藤木幸夫神奈川港運協会長が「広い世界で友情が生まれることを念願している」とあいさつ。メッセージを書いた三崎水産高1年の天野祐太郎君は「決して得意でない英語で書きました。いつの日か返事が来ることを楽しみにしています」と述べ、同校の生徒代表が乗組員にボトルを託した。


しらせの乗組員にメッセージボトルを託す
三崎水産高校の生徒

 メッセージボトルを海に流す活動は、実際にあったエピソードを元にした映画「黒潮物語」を製作した藤沢市の「『黒潮物語』元気な子の会」(小林一平会長)が全国各地で行っている。活動を知った牧島功県議らが、県内外から広くメッセージを集めて海に流す一大行事に育てようと各団体に呼びかけて実行委を設立。これまでに計4500通のメッセージを放流している

<南極観測船「しらせ」>

厚さ 1.5m の海氷を 3 ノットの速度で砕氷することが可能で、世界でも 一級の砕氷能力を有する。

主 要 寸 法
134m×28m×14.5m
( 長さ、幅、深さ )
基準排水量
11,600t
速    力
19ノット
特 殊 装 置
ヘリコプター3基搭載
定    員
170名