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◆ 小選挙区制になって政治は浄化されたか?
 選挙制度(中選挙区制)が政治と金の問題の原点であり、制度を変えぬ限り、政治の金権体質は是正されない。 こうした世論の中で誕生した小選挙区制。2度の衆院選挙を経て、はたして政治から金にまつわる話題が消滅したのだろうか。 KSD事件をはじめとして、新世紀に入っても金権腐敗の体質は完全されていないのは事実であり、 更に悪化の可能性もある。これによって制度が変わっても体質が変わらないことが明白になった。 もう一度、小選挙制を点検し、中選挙区の見直しを含め、新たな提言をここにしたい。
 
◆ 政治不信の原点は選挙制度?
 議員内閣制が日本国憲法で制定されている以上、 小選挙区制を取り入れた事に問題がある。大統領制のもとで、行政と立法(国会)が区分されていることが、 小選挙区制が成立する絶対の条件である。 当初、小選挙区制であれば政策本位の争いとなり、 結果として2大政党政治性となり、政権交替が容易であると言われていたが、アメリカのような2大政党政治は、 日本の場合、巨大な官僚機構と公明党と共産党が存在している限り無理である。  また、現実問題として、2大政党どころか議席数合わせの小党連立政権となっているため、 大きな矛盾が生じ、国民の政治離れや政治不信に繋がっている。  そもそも中選挙区から小選挙区に変えたのは、派閥の解消も大きな要素の一つであった。 しかし、現状を見る限り解消されたどころか、与・野党ともに政策集団に名を借りた派閥の権力争いが活発になったといえる。 内閣の組閣及び、民主党内の憲法論争を見ればしかりである。  また、比例区を導入し、ブロック制を採用したその実態は、数字合わせの制度であり、政党の都合のみ優先され、 有権者の理解と容認にはほど遠い。併せて地方組織の移行も与野党とも考慮されていないのが実情であり、 選挙制度の改革の実を挙げていない。
 
◆ 小選挙区の弊害
候補者の擁立の問題点
 各選挙区において、各政党より1名のみ立候補するため、現職優先主義の形態となっている。  自民党を例にすれば、各選挙区の支部長がそのまま候補者となるため、 我党の現職がいる選挙区では新人の候補者が出馬することは皆無である。 それにより新人登用の機会を失わない優秀な青年が他党から出馬しているケースも少なくない。 また、各選挙区1人の候補者では、党組織主体で行われるため、 地域の声が反映されず有権者の選択の余地が狭められている。  よって、現状の政治への無関心、政党離れが進み、 それらが政治全般への不信感へとつながっていると考えられる。

金権腐敗政治からの脱却

 中選挙区制は、お金のかかる制度といわれていた。 その理由としては、1つの選挙区から同一政党の候補者が立候補するため、 選挙民へアピールやサービスが激化し、そのため利権がらみの贈収賄が横行した。 数年(5年サイクル位)で、必ず大きな不祥事が起こり、中選挙区廃止の気運が高まった。 しかし、小選挙区制の方が、選挙区範囲が狭くなった為、より極め細やかな支持基盤を磐石にするために 逆にお金がかかってしまい、個人や派閥のパーティー開催は激増し、金権体質から脱却できないのが実情である。

政策論議の可能性
 各政党より1名が立候補するため、政党と個人の政策論議がなされると期待された小選挙区であるが、実際には国民からは各政党の違いを認識できなくなった。これは、各政党とも有権者の大多数の同意できる点に政策をすり寄せる為であり、結果として政策論争が期待できないのである。例えば、憲法論議にしても、与・野党それぞれに護憲、改憲論者が存在しており、有権者にとって政策より、政党の識別をすることは不可能になっている。

1票の格差の是正

 平成12年10月に行われた国勢調査の結果、選挙区の見直しは必至である。 衆議院議員選挙区画定審議会設置法でも人口が最大の選挙区と最小の選挙区の 『格差が2倍以上にならないことを基本』に見直すことを義務づけている。現実問題として、別紙資料・全国小選挙区別 人口と格差一覧を見ればわかるように、 見直しの前提となる2倍を超える選挙区は95選挙区である。例として、全国最多人口の神奈川7区(607,520人、横浜市港北区、緑区、都筑区) と最小人口の島根3区(236,103人、浜田市・益田市など)では、2.57倍になった。 与党自民党は、平成11年10月の連立政権合意に盛り込まれた衆議院定数50議席削減に基づき、 平成12年2月に衆議院比例定数20議席を削減した。 残りの定数30議席については、今回行われた国勢調査により必要な法改正を行うとしており、 この合意は自公保政権にも引き継がれている。 しかし、現行の衆議院小選挙区の区割りでの変更は困難を極める。 小選挙区制を存続させることは、道州制の導入や市区町村合併に大きな障害となるは必定であり、 地方分権にもマイナスである。 1票の格差是正を現行の小選挙区制度のものに実施するのは極めて困難であり、 中選挙区制によって、改善するほうがよりベターである。

比例制度の廃止

 基本的に、衆議院選挙において比例制度は不用と考える。 参議院と同様のシステムを導入することは、衆議院においては不必要である。 現行の小選挙区において、当選者は1人でなければならない。 しかし、重複立候補において、選挙区で敗戦した候補者(2位、3位)が落選で、 4位が比例によって当選では、矛盾があり国民の民意の反映と理解はありえない。  また、比例登載者名簿についても、地方の意見が反映されず、中央主導そのものであり、 都市部の反発は大きいものがある。 なお、改善された比例当選者の政党移動の禁止や、 法定得票数に満たない者の当選無効は極めて当然のことであり評価する。
 
◆ 中選挙区制に戻す意義
 中選挙区に戻す意義として、各選挙区より、同一政党の候補者が立候補できる。 つまり、現行の地方選のように新人候補が立候補しやすくなるので、新陳代謝が行われ、 有権者の選択の余地が広がり、民主的政治となると考える。  また、同一政党の候補者がいるため、候補者個人の政策をより鮮明に有権者にアピールしなければならなくなり、 身近な政策判断を容易にすることが出来る。 併せて、候補者そのものの資質を問われることにもなる。 さらに、地域に反映する内容も組み込まれ、政治の無関心防止策にもつながる。
よって、以下の条件を基本に、神奈川県における中選挙区の区割りを提案する。



 1. 現行の衆議院の全国480議席数を30議席削減し450議席とする。
 2. 全国人口 1億2600万人を47都道府県で150の選挙区に割る。(原則・1選挙 区を定数3とする)
 3. 1選挙区あたりの人口数が、約83万人となり基数を60万〜100万人とする。 (別添資料神奈川県における選挙区割表)
 4. 比例代表制度の廃止
 5. 別添新聞記事(平成12年10月に行われた国勢調査の結果)にもある通り、1票の格差が大変大きい。 よって、格差が2倍を超えないようにする。
 6. 各地域の特色を生かすため、広域文化圏、生活圏を重要視し、現行の市区 町村の境界線にはこだわらない。
 
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