政策ルームトップへ 次のページへ


何故第3の改革は成功しないのか?
 日本が世界に脅威を与えるドラスティックな改革の成功者であったことは前述した。江戸時代から明治維新への改革は「武士」の社会を終焉させ近代日本を創始した。昭和20年、敗戦から復興した私達は「軍人」の統する社会構造にピリオドを打った。何を改革するか国民が知り得、その改革を支持することによって改革そのものが成功したのである。従って日本、日本人は改革できない民族ではない。改革の方向性やビジョンが支持されるものであるなら必ず結果を生むことの出来る国家なのである。

今、変えるものは何か
 国民一人あたり550万円の借金。国家として700兆円を超える借財。5%を前後する失業。フリーターの増大。地方や中小企業の暗雲は晴れず、経済上昇、景気回復が実感できぬ国民。外国投資家に左右される株価。円高基調から脱却できぬ為替相場。不可解な金融機関の合併。貸し渋りや貸しはがしの実態。
  こうした経済環境が何故改善されないのか、こうした現象を引き起こす原点がどこにあるのか、何なのかを明確にしない限り改革は成功しないのである。

諸悪の根源は中央集権と役人社会
焦土と化した日本の復活のシナリオ。そして社会構造は以下に集約される。

1. 中央集権と自民党政権
   小さな国土の日本(アメリカの24分の1、中国の26分の1)の復活の原動力は徹底した中央集権にあった。国や役人が日本の構造を作り変え国民を指導し、役人こそ、官僚こそ正しく、清潔で、優秀であることを強要しながら日本をリードした。更に様々な規制を作り上げ、いやがうえにも官上位の社会を定着させたのである。
  荒廃のなかから立ち上がるときも国民一丸となって働き、経済大国にのし上がるときにもこの一極集中はすさまじいエネルギーを統括し成功への道を開いた。
  自民党は肥大化し、益々強大になる官僚組織の上に乗せられ、政権の安定こそ日本発展の第1であると叫びつつ、政権の維持につとめた。規制の網のなかで利権へ道を探り派閥政治の根幹を作り上げた。
   
2. 日米安保とアメリカへの忠節
   経済大国への道の課題として、いかに国防費を縮小するかが大きな要素であることは明白であり、日本はG.D.Pの1%枠を堅持し、日米安保に国防をまかせることで経済優先の施策をとってきた。
  確かに「賢しこい」選択であったと思う。しかし昨今の米国への従属をみるにつけ、日米の絆は外交の最重点としても、安全保障に関しては一考を要する事態を招いている事実を忘れてはならない。
   
3. 優秀な国民性と高い教育水準
   経済成長の原点として勤勉な国民性と高い教育水準が挙げられる。生活の為には当然として、国の為、家族の為、子供の為に流した血と汗は貴重なものだ。優れた資質を持つ日本民族は、”一生懸命”働くことと学ぶことで国の復興を誓った。今日、日本人は世界一勤勉なのか。世界一学業に専念する子供たちなのか?
   

 少なくとも1. 2. 3.で指摘した3点は日本の国力の高揚の原動力であったことは事実であり、経済発展のkeyであったことも否めない。

  しかし、改革は進まないのである。

役人にとって今は史上最高の天下
 平成16年8月31日。メジャー各社は一斉に、「平成15年の天下りが3000人を超えた」ことを報じた。
  がんじがらめの規制の中で天下太平を極めこむ現役の役人たちは、税収が不足しても、給与が減額されぬことを知り抜いており、働かなくても"首"にならぬシステムを作り上げた。現役を去る官僚、役人たちは財団や、公社や、第3セクターや 、協会をせっせと創っただけでなく、下請け子会社、孫会社まで作り上げ、再就職、再々就職に憂いなきを期している。経済が下降線を巡ろうが、税収が落ちようが我関せずである。介護や福祉の充実で莫大な予算が必要になっても、保険料金の引き上げ、給付の引き下げで対応し、医療費の値上げや薬価の値上げで切り抜ければよいのである。更に財政が厳しくなれば増税である。
  どんな会社、家庭であろうとも収入が減れば第1に手をつけるのは人件費である。 投資的経費に手をつければ会社の存続が不可能になるからである。 国も同じである。政策の失敗や誤りを国民に押し付けるのではなく、自ら減給し、天下りを廃止し、財団や第3セクターを民営化させなくてはならないのである。
 残念乍らマスコミも国民も公共事業を「悪」と極めつけ抑制を歓迎している。まさに役人の思う壺である。給料を減らさず投資を抑えれば良いからである。


改革ターゲットは役人社会を壊すこと。「武士」社会と「軍人」社会を壊し改革に成功した日本は、今こそ「役人」社会にメスを入れることで改革のターゲットを絞り込み、第3の改革の成果を求めていかねばならない。


政策ルームトップへ 次のページへ