「バイブル道州制」廃県置州への挑戦!山梨県で大フィーバー

 ようやく道州制の論議が高まってきました。政府や自民党、野党のなかでも積極的な発言をする議員も目立ってきました。又財界や商工会議所関係者にも賛成者が増加しているようです。

廃県置州への挑戦


  こうして気運が高まることは歓迎するところですが、どの提案をみても物足りません。 「カタチ」だけの論議で、最も大切な

  1. どうしたら国と地方の財政再建の道となるのか。
  2. 少子高齢化、人口減少時にふさわしい自治のあり方は。
  3. 地方の文化や人々のくらしを守るには。
  4. 巨大化した官僚、役人社会にどう対峙するか。

こうした基本的なことを提示せず、県の組み合わせだけが一人歩きしているような気がします。

  しっかりとした制度にするには何より国民が関心を持つことです。これからもこの本をひっさげ各地に出張し、「道州制」のあり方を説いてまいります。

 何かご提案があればご連絡ください。

牧島 功


 政府の「道州制ビジョン懇談会」が3月下旬、「10年後までに完全移行する」との中間報告をまとめた道州制問題。山梨県は、平成18年2月の第28次地方制度調査会答申の区割り案(3案)でいずれも東京都などと一緒になる案が示され、県内には楽観論が漂って議論は活発でない。

 しかし、山梨経済同友会は「首都圏の枠組みから取り残される」可能性に言及したほか、富士山を核に神奈川県や静岡県と一緒になる案も浮上している。道州制で山梨はどうなる?


 「山梨の所属する道州がなくなる可能性もある。長野と静岡や、新潟県も含めることも考えた『中央州』も視野に入れて」

  山梨経済同友会の「道州制検討委員会」(委員長・伊良原龍夫甲府信金監事)は昨年11月末に、こう記した2年間の検討結果を横内正明知事に提出した。

 横内知事は「三重県は近畿と中部地方の両方から入ってくれといわれているといい、山梨も魅力をアップし同じようにならないと」と気を引き締めていた。


 県内には、横内知事をはじめ「東京都と一緒になれば」という意味での道州制待望論が強い。

  確かに山梨は、明治中期〜昭和初期に東京に進出した県内出身の実業家の総称「甲州財閥」の動きに加え、JR中央線、中央自動車道などの交通網の関係で東京とのつながりが強い。県内最大の金融機関、山梨中央銀行は「県内と東京・多摩地域の企業の取引が多い」状況にあり、インターネットをみると、山梨と多摩地域を合わせた「多摩梨県」という造語も飛び交うほどだ。

  とはいえ、山梨経済同友会が提言書で懸念材料としたのは「東京、神奈川、千葉、埼玉は昭和54年から続く『首都圏サミット』で連携を強めている」点だ。「(山梨もサミットに)入れてくれと言ったが、『道州制ということでの取り組みではない』と入れてもらえなかった」(横内知事)という。

 提言書では「道州制の議論を県民に周知し、議論を巻き起こしてほしい」と記されたが、6カ月たった現在も、県知事政策局は「区割り案はさまざまあるが、国からの権限委譲について議論が行なわれている最中。まずは県の魅力アップに取り組んでいる」と苦しい胸の内を明かす。


(1)第28次地方制度調査会答申の
区割り案(9道州)

(2)第28次地方制度調査会答申の
区割り案2(11道州)と3(13道州)

(3)山梨経済同友会のシナリオ一例

(4)牧島功・桐蔭横浜大客員教授
(神奈川県議)らによる区割り案

 現在の都道府県単位で組み合わせを探る道州制区割り案が多いなか、「神奈川と山梨、静岡県東部を合わせ『富士州』」と打ち出した区割り案がある。小泉元首相のおひざ元、自民党神奈川県連所属の牧島功県議(桐蔭横浜大客員教授)が、同県連の設ける政治大学校の受講生とともにまとめたものだ。

 「歴史や文化も考慮し500時間かけて検討した」という案は、多くの案で一緒になっている神奈川県と東京を分けた。東京は沖縄と一緒にし、山梨、神奈川、静岡では富士箱根伊豆国立公園という観光資源がある点も視野に入れたという。

  また長野県は、北信域を「北陸州」、中南信域を「東海州」、佐久地域を「関東州」と大胆に3分割。牧島氏は「県をなくそうとしているのに県同士を組み合わせるのは『幼稚園児の道州制』で、将来の展望を考えて『大学生の道州制』が必要」と訴える。

 人口約88万人と少なく、周囲を200万人以上の都県に囲まれて「(明治21年に完成した)廃藩置県から不利は状況にある」(伊良原委員長)という山梨県。最近は県内景気が急速に悪化し「経済域が狭く所得が県外に出ている」(日銀甲府支店の金田一弘雄支店長)状況だ。他県以上に、県内で道州制論議を高めていく必要がありそうだ。


■道州制をめぐる議論

 東京一極集中の現在のあり方を変え、国の役割を外交や安全保障に絞る一方、自立できる規模にした地方に自らの判断で地域活性化を進めさせようと経済界を中心に推進派が多い。小泉首相時代の平成18年2月、首相諮問機関「地方制度調査会」が9、11、13道州の区割り案を盛り込み答申し、安倍前首相の肝いりで発足した「道州制ビジョン懇談会」(座長・江口克彦PHP総合研究所社長)は今年3月、10年後までに道州制に完全移行すべきとの中間報告をまとめた。

  ただ、内閣府に設置された「地方分権改革推進委員会」(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)での議論も含め、既得権を侵される官僚の抵抗は激しい。「族議員」や区割り方法によって影響が出る都道府県の綱引きもあるほか、福田首相は安倍前首相ほど積極的ではないとの指摘もある。